好きな日本語小説家の9割が女性、あとの1割は村上春樹

私の好きな日本語小説家ベスト10をリストアップしてみると、次のような面々になる。村上春樹を除いては10名中9名が女性であるのに加えて、実に10名中6名の作家名に「〜子」がつく。何故かは、分からない。おそらく世代的に何かあるのだろう。

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【好きな日本語小説家ベスト10】(括弧内=好きな作品)

①村上春樹(「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」)
 →殿堂入り一位。なんだかんだ一番好き。
②松田青子(「男の子になりたかった女の子になりたかった女の子」)
③津村記久子(「この世にたやすい仕事はない」)
④川上未映子(「夏物語」)
⑤川上弘美(「森へ行きましょう」)
 →④川上未映子&⑤川上弘美:脳内通称「W川上」
⑥ 山内マリコ(「あのこは貴族」)
⑦小川洋子(「密やかな結晶」)
⑧ 多和田葉子(「百年の散歩」)
 →⑦小川洋子&⑧多和田葉子:脳内通称「Wヨウコ」
⑨ 金原ひとみ(「マザーアウトロウ」)
⑩ 綿谷りさ(「嫌いなら呼ぶなよ」)
 →⑨金原ひとみ&⑩綿谷りさ:脳内通称「W芥川賞受賞ぶっ飛びコンビ」

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思い返してみると、大学を出るまではそんなことなかった。つまり、主に英語で読書していたころは、男性の作品ばかりが本棚に並べられていた。二十歳前後の私が好きな作家を10名挙げたとしたら、サリンジャー、フィッツジェラルド、ヴォネガット、トールキン、JKローリング、ルイス・キャロル、エンデ、クンデラ、ヨースタイン・ゴルデル、ジョージ・ソーンダーズといった具合であっただろう。古典と呼ばれる作品の書き手がほとんどであり、書店で新刊を待ち臨む面子では、決して、ない。

対して、先述の好きな日本語小説家10名にはいわゆる「現代文学」の書き手であるという共通点がある。また、私の好きな小説家の作風は「読んでいて心地のよい、リズミカルな文体」and/or「日常的な描写と地続きに幻想的な展開へと移行する、マジックリアリズム的世界観」を特徴とすることに、この文章を書きながら思い至った。自分の日本語読書の原点が村上春樹であることを考えると、納得の癖(へき)である。

「文体」と「世界観」。

最後に、好きな作家でこの二つの要素をマトリックスにしてみた。

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【もうすぐ100冊】今年の絶賛本5選【2025年の読書】

まったく大したことはないのだが、どうしても個人的絶賛本を発表する場が欲しく勢いで当ブログを新設した。 ここ数年間、年間100冊読了を目標に掲げている。2025年11月2日現在ちまちまつけている読書ログには「95冊」記録している。今年も目標まであと少しだ。年末まで残すところあと2ヶ月と、少しばかり気が早いが、さっそく紹介しよう。 【目次】 ⒈ マザーアウトロウ(金原ひとみ) ⒉ 逃亡するガール(山内マリコ) ⒊ 本の読み方 スロー・リーティングの実践(平野啓一郎) ⒋ エヴリシング・フロウズ(津村記久子)、の解説 ⒌ 耳に棲むもの(小川洋子) ⒈ マザーアウトロウ(金原ひとみ) 【書名】マザーアウトロウ 【著者】金原ひとみ 【出版社】U-NEXT 【ページ数】182p 【一番心に残った〇〇】 タイトル!Mother-in-law(婚姻による義理の母)↔︎Mother-out-law(造語;たぶん婚姻による義理の母娘の関係ではなく、個人対個人で結ぶ関係を指す)とMother Outlaw(

By Yumi Jane Kaplan