西加奈子にファンレターを手渡しした話
人生で初めてファンレターというものを書いた。あまり緊張とかしない方なのだけれど、本人を前にし「お手紙を書きました」と手渡しする際、手が震え自分で自分にびっくりした。西加奈子氏はとても喜んでくれた様子で、向こうから両手を差し出し握手までしてくれた。なんだか私は、ものすごく感動した。 私はいつも本から多くのものを受け取っている。それは即ち「本」という容れ物に「何か」を(物語とか絶望とか哲学とか提案とか挑戦とか励ましとかを)落とし込んで世に放っている作家から多くのものを受け取っているということだ。本を読む前と後では、私という人間は少し違う。作家から受け取った何かは心の中で静かに蓄積されていって、それは私自身に大なり小なり変化をもたらす。 このとおり、読書という行為は作家と読者のやり取りで成り立っていると思う。ただし、そのやり取りは大抵、私という一読者の脳内にて、私の想像上の作家相手に行われる。 具体的に紹介すると、私はいつも本を読みながら気に入ったページをドッグイヤーしたり、マージンにメモを書き込んだり、時には納得できない記述に対して「どないやねん」と口に出してツッコんだりする。さらに